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ピン(PING)のパターといえば、まず「アンサー(ANSER)」の名前が浮かぶ人が多いでしょう。しかし、ピンにはもう一つ、「パル(PAL)」という名器が存在します。どちらもピンを代表する歴史的モデルですが、その形状や特性は異なり、合うゴルファーのタイプも変わってきます。
本記事では「アンサーとパル、何が違うの?」という疑問に正面から答えます。それぞれの特徴と歴史、向いているストロークタイプ、選び方のポイントまでをわかりやすく解説します。
そもそもピンのアンサー・パルとは?
ピンパターの原点
ピン(PING)は1959年にカーステン・ソルハイム氏が創業したゴルフメーカーです。当時のパターはL字型が主流で、芯が小さく方向性が安定しにくいという課題がありました。そこでソルハイム氏は「3パット撲滅」をテーマに独自のパター開発に取り組み、1966年に「ANSER(アンサー)」を発表します。
アンサーはトゥとヒールに重量を配分したヒール・トゥウェイテッド設計とクランクネックを採用し、当時としては画期的な寛容性と直進性を実現しました。その後、パターの形状を語る言葉として「ピン型」という表現が定着するほど、ゴルフ界に大きな影響を与えた名器です。
アンサーの誕生には有名なエピソードがあります。ソルハイム氏が名前に悩んでいたところ、妻ルイーズさんが「パッティングの”答え(answer)”にしては」と提案しました。しかし、バックフェースの小さな刻印スペースに「ANSWER」の6文字は収まらず、翌朝ルイーズさんが「Wを抜いても発音は変わらない」とアドバイスし、「ANSER」となった、というのは有名な話です。
パル(PAL)とは
パルは、アンサーの成功を受けてピンが展開したもう一つの名器です。アンサーと同じくピン型(ブレード型)のカテゴリーに属しながらも、独自の形状と特性を持つモデルとして展開され、トム・ワトソンをはじめとする多くのトッププロに愛用され、数々のメジャータイトル獲得に貢献しました。
アンサーとパルの違いを比較
ヘッド形状の違い
アンサーとパルの最も大きな違いはヘッドの形状です。
アンサー(ANSER)は、やや幅広でボリューム感のあるヘッド形状が特徴です。トップレールに一定の厚みがあり、アドレス時に安心感と安定感を感じやすいのが特長です。構えたときのフェース面が大きく見えるため、ターゲットに向けて合わせやすく、アライメント(方向の合わせやすさ)に優れています。
パル(PAL)はアンサーに比べてヘッドが細身でやや小ぶりです。コンパクトなヘッドサイズにより、構えたときのスッキリした見た目が好まれています。トゥとヒールに重量が配分され、クランクネックを採用している点はアンサーと共通していますが、全体的なシルエットがよりシャープです。
ストロークタイプとの相性
ピンではパター1本ごとにシャフトに「ストロークカラー」を表示しており、自分のストロークタイプに合ったモデルを選べる仕組みになっています。
| ストロークタイプ | 特徴 | 向いているモデル |
|---|---|---|
| ストレート(青ラベル) | まっすぐ引いてまっすぐ打つ | フェースバランス系 |
| 軽いイン・トゥ・イン(緑ラベル) | 軽い弧を描くストローク | ヒール・トゥバランス系 |
| 強いイン・トゥ・イン(赤ラベル) | 大きな弧を描くストローク | トゥバランス系 |
アンサーは比較的フェースバランスに近い設計のものが多く、ストレートに引いてストレートに打つタイプのゴルファーに合いやすいモデルです。
パルはヒール・トゥバランス系の設計で、軽くインサイドインの弧を描くストロークをするゴルファーとの相性が良いモデルです。フェースを自然に開閉させながら打つ感覚を好む人にフィットしやすいといわれています。
打感・構えやすさの違い
アンサーはヘッドにボリューム感があるため、構えたときの安心感が高く、初心者から上級者まで幅広く受け入れられやすい設計です。ヘッドサイズがやや大きめなので、アライメントを合わせやすいのも特長の一つです。
パルはコンパクトなヘッドサイズにより、繊細な距離感やフィーリングを重視するゴルファーに支持されています。トム・ワトソンのような感覚派のゴルファーに愛用されてきた歴史が、その操作性の高さを物語っています。
シャフトの差し方(ネック)の違い
細かい部分ですが、アンサーとパルではシャフトの入り方にも違いがあります。アンサーはシャフトが右側(ヒール寄り)から差し込まれた設計で、フェースがシャフトよりやや遅れてインパクトする感覚が生まれます。これにより右への押し出しが出にくく、引っかけを抑える効果があります。
パルはシャフトがよりニュートラルな位置に差し込まれた設計で、座りが良くアドレスでフェースが自然にスクエアに向きやすいという特性があります。
アンサー vs パル どちらを選ぶべきか
アンサーが向いているゴルファー
- ストレートに引いてストレートに打ちたい人
- アライメントを合わせやすいパターが好みの人
- 安定感・安心感を重視する人
- ピン型パターを初めて使う人
- 右への押し出しミスが多い人
アンサーはピン型パターの教科書ともいえる設計で、「迷ったらアンサー」といわれるほどバランスが取れたモデルです。ビギナーから中上級者まで幅広く対応できます。
パルが向いているゴルファー
- 軽くイン・トゥ・インの弧を描くストロークをする人
- コンパクトなヘッドで繊細な距離感を大切にしたい人
- フェースの開閉を自然に使って打ちたい人
- シャープな見た目・スッキリした形状が好みの人
- ビンテージパターに興味がある人
パルはやや操作性を重視した設計で、自分でフェースをコントロールしながら打つスタイルのゴルファーに響くモデルです。中古・ビンテージ市場でも根強い人気を誇っています。
アンサーの歴代ラインアップ
現在のピンでは、アンサーの名を冠したモデルが複数展開されています。
ANSER(アンサー):クラシックなピン型の基本形。シャープなトップレールが特徴で、アライメント効果に優れています。
ANSER 2(アンサー2):アンサーよりヘッドが幅広でワイドな設計。構えたときの安心感と座りの良さが特長で、アドレス時に目標に向きやすい設計です。
ANSER D(アンサーD):アンサーブレードとマレットのハイブリッド設計。後方(Deep)に重量を配することで寛容性が向上したモデルで、ツアープロの意見を取り入れて開発されました。
ANSER 2D(アンサー2D):アンサー2をベースにさらに後方重量を増やしたモデル。従来のANSER 2より重量感と座りが向上しています。
ピン パル 歴代モデル詳細解説
パルシリーズはアンサーに次いでピンで最も多くの派生モデルを持つシリーズです。PAL・PAL2・PAL4・PAL6と数字が付くモデルが展開され、それぞれ素材や設計が異なります。
PAL(パル ブロンズ)|初代・原点モデル
1975年に誕生したPING初となるステンレススチールパターの流れを汲みつつ、パルの原点となるのがブロンズ(マンガンブロンズ)素材を使用した初代PALです。トムワトソンをはじめとする多くのトッププロに愛用され、多くのメジャータイトルを制覇した名器で、ヘッド形状はアンサーに比べて細身でやや小ぶり。トゥとヒールに重量配分され、クランクネックで構えやすい設計です。
ブロンズ素材ならではのソフトな打感と、酸化による黒みがかった独特の風合いが魅力で、ビンテージパターとして今も高い人気と価値を保っています。
PAL ブロンズの評価
- 打感:非常にソフトで繊細なタッチが出しやすい
- 外観:使い込むほど黒く変化する渋い風合い
- ビンテージ価値:高く、コレクターズアイテムとしての需要も根強い
PAL2(パル2)|ステンレス素材の普及モデル
PAL2はパルシリーズの中で最もスタンダードなモデルとして展開されました。素材にはステンレススチールやブラックサテン仕上げのモデルが存在し、初代PALのブロンズに比べて入手しやすい価格帯で流通しました。
ヘッド形状は初代PALのコンセプトを継承しつつ、より現代的な仕上げに。ブロンズほどのソフトさはないものの、ステンレス特有のしっかりした打感と安定した転がりが評価されています。中古市場でも比較的流通量が多く、ビンテージピンパターの入門モデルとして選ばれることも多いです。
PAL2の評価
- 打感:ステンレス特有のやや硬めでしっかりした打感
- 入手性:中古市場での流通量が多く選びやすい
- 用途:ビンテージピンパターを初めて試すゴルファーに適している
PAL4(パル4)|ベリリウムカッパー(BeCu)の名器
PAL4はパルシリーズの中で最も高く評価されているモデルの一つです。最大の特徴はヘッド素材に「ベリリウムカッパー(BeCu)」を採用していることです。
ベリリウムカッパーは銅とベリリウムの合金で、ステンレスよりも比重が高く、独特のソフトでありながらしっかりした打感を生み出します。インパクト時の「キーン」という高周波の打音はPAL4 BeCuならではと愛好家の間で語り継がれています。
また、PAL4はPAL2と比べてヘッドバランスがしっかり出ており(D1程度と言われる)、ヘッドの重みを感じながらストロークしやすいのも特長です。距離感が合わせやすいという評価が高く、ピンパターを長く使うユーザーの中でも「PAL4が一番しっくりくる」という声は多く聞かれます。
ただし、ベリリウムカッパーは環境・公害問題から現在は製造されておらず、現行品での入手は不可能です。中古・オークション市場での取引価格は同年代のモデルと比べて高めに推移しており、希少品としての価値も持ち合わせています。
PAL4 BeCuの評価
- 打感:ソフトかつしっかりした独特の打感。高周波の打音が特徴的
- バランス:パルシリーズの中でもヘッドバランスがしっかり出ている
- 希少性:ベリリウムカッパーは現在製造不可のため中古のみ入手可能
- ビンテージ価値:高く、PAL4 BeCuは特にコレクター人気が高い
PAL6(パル6)
PAL6はパルシリーズのラインアップの中で展開されたモデルです。パルシリーズ全体の設計思想(コンパクトなヘッド・クランクネック・ヒール&トゥウェイテッド)を踏襲しながら、時代に合わせた仕様で登場しました。
現在は中古市場での流通が中心となっており、ビンテージピンパターとして収集・愛用するユーザーに支持されています。
PAL2とPAL4の違い|どちらを選ぶか
PALシリーズの中で特に「PAL2かPAL4か」という比較をする人が多いです。主な違いは以下のとおりです。
| 比較項目 | PAL2 | PAL4 |
|---|---|---|
| 素材 | ステンレス・ブラックサテンなど | ベリリウムカッパー(BeCu)が代表的 |
| 打感 | やや硬めのステンレス打感 | ソフトかつしっかり感のある独特の打感 |
| 打音 | 標準的なピン型の打音 | 「キーン」という高周波の打音 |
| バランス | やや軽め | ヘッドバランスがしっかり出ている |
| 入手性 | 中古市場での流通量多め | BeCuは希少・高値傾向 |
| 価格帯(中古) | 比較的手頃 | BeCuは高め |
PAL2が向いている人:ビンテージパルを手頃に試してみたい人、ステンレスのしっかりした打感を好む人
PAL4 BeCuが向いている人:独特の打感・打音を重視する人、ピンパターを長年使ってきてPAL4に行き着いた人、ビンテージコレクターとしての価値も重視する人
どちらを試打すべきか迷ったら
ピンでは「iping(アイピン)」というパターフィッティングを提供しており、自分のストロークタイプ・アライメントの傾向・距離感の出し方などを診断した上で、最適なモデルを提案してもらえます。
アンサーとパルのどちらが自分に向いているか確信が持てない場合は、まずフィッティングで自分のストロークの癖を把握することをおすすめします。フィッティングの結果と合わせて、実際に試打して「構えやすさ」「打感」「転がりのイメージ」が合うかどうかを確認するのが最善の選び方です。
よくある質問
Q. アンサーとパル、中古で買うならどちらがおすすめですか? A. 初めてピンのパターを試すならアンサーがおすすめです。バランスが良く合わせやすいため、自分のストロークとの相性を判断しやすいです。ビンテージや歴史あるモデルに興味があるならパル ブロンズも選択肢になりますが、状態の良い個体を見極める知識が必要です。
Q. アンサーとアンサー2の違いは何ですか? A. アンサーは標準的なヘッドサイズでシャープな見た目、アンサー2はよりワイドで幅広のヘッド形状です。アンサーは「ボールを包み込むように運ぶ」イメージのストロークをする人に、アンサー2は「ターゲットラインに対してボールをヒットする」イメージの人に合いやすいとされています。
Q. パルは現行品でも買えますか? A. 現在のピンの主力ラインアップにパルの名を冠したモデルは少なく、中古・ビンテージ市場での入手が中心になります。最新のピンパターでパルに近い特性(コンパクトなピン型・操作性重視)を求めるなら、ピンのフィッティングを受けて代替モデルを提案してもらうのが確実です。
ピンのアンサーとパル、その違い
ピンのアンサーとパル、その違いをまとめると次のようになります。
アンサー(ANSER)はピン型パターの原点にして最も完成された形。ヘッドがやや幅広で安心感があり、ストレート系のストロークをするゴルファーに合いやすい。初心者から上級者まで幅広く対応できる万能モデル。
パル(PAL)はアンサーより細身でコンパクトなヘッド。操作性と繊細な距離感を重視するゴルファーに向いており、軽くイン・トゥ・インのストロークをする人と相性が良い。トム・ワトソンらトッププロが愛用した歴史あるモデル。
どちらもピンが誇る名器ですが、自分のストロークスタイルと構えやすさの好みによって選択が変わります。可能であればフィッティングや試打を経験した上で、自分の「答え(ANSER)」を見つけてみてください。
記事まとめ
- PING の「パル」は、ANSER に次ぐ派生モデルの多いシリーズで、PAL・PAL2・PAL4・PAL6などが展開されてきた。
- 初代 PAL はブロンズ素材を使用し、Tom Watson をはじめ多くのトッププロが愛用してメジャータイトルを制覇した名器として知られている。
- PALのヘッドはANSERより細身でコンパクトなシルエットが特徴で、クランクネックによる構えやすさも魅力。
- PAL2 はステンレス素材モデルが中心で、中古市場での流通量が多く、ビンテージPINGパターの入門モデルとして選ばれやすい。
- PAL4 はベリリウムカッパー(BeCu)素材モデルが代表的で、インパクト時の「キーン」という高周波の打音が愛好家の間で語り継がれている。
- PAL4 BeCuはヘッドバランスがしっかり出ており、ヘッドの重みを感じながら距離感を合わせやすい点が高く評価されている。
- ベリリウムカッパー素材は環境問題の影響で現在は製造されておらず、PAL4 BeCuは中古・オークション市場でも高値で取引される希少モデルとなっている。
- ANSERはやや幅広のヘッド形状でストレート系ストロークに合いやすく、PALはコンパクトヘッドで軽いイン・トゥ・インのストロークをする人に向いている。
- PING公式サイト では「iPING」フィッティングによるストローク診断も行われており、ANSERとPALで迷った際の参考になる。
- どちらも現代まで愛され続けるPINGの名器だが、ANSERは万能型、PALは感覚派ゴルファーに特に支持されるモデルと言える。



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